矢穴とは |
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イラスト「滋賀県文化財保護協会-紀要21」より
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■ねじりまんぽ友人の”たけちゃん”がブログで
”煉瓦アーチ”の側壁に”矢穴”を見つけた
というので早速見に行きました。
以前から彼は、
高槻城の石垣の石が明治期鉄道建設に使われた
ことに触れていたのですが、読み飛ばしていました。
■大河ドラマでも登場するキリシタン大名高山右近の高槻城は、
明治維新で廃城。
石垣の大半が鉄道建設のため、橋台や基礎に転用されたそうです。
城趾には切り出した際の「矢穴」痕や刻印を残す石が展示されています。
さらに、大山崎から茨木にかけてのJR線(山崎煉瓦アーチ群)の基礎石は、
かっての高槻城の石垣石だと言われています。
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も く じ |
このページ(矢穴T)では、次の矢穴を紹介しています。
■ 矢穴T ■
「山崎煉瓦アーチ群」の矢穴
檜尾川橋梁/下坂谷架道供渠/西ノ口橋梁/元茨木川橋梁/老ヶ辻橋梁/七反田橋梁
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檜尾川橋梁
平成26年10月1日/記 |
■「檜尾川橋梁」の東京駅からの距離は532.964Km。
高槻市萩之庄1丁目、JR東海道本線が檜尾川を渡るところにあります。
堤防から降りるのに少々苦労しますが、矢穴の宝庫です。
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平成26年9月6日撮影
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京都側橋台 |
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A/矢穴 |
B/矢穴 |
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C/ビシャン仕上げの途中か? |
D/矢穴を空けようとしたあと |
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E/矢穴 |
F/矢穴 |
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下坂谷架道供渠(とうかい149)
平成26年10月1日/記 |
■下坂谷架道供渠(とうかい149)の東京駅からの距離は536.965Km。
高槻市東五百住町1丁目、
サンスターと明治製菓の間の通路にあります。
現在は水路と通路の2階建てになっています。
たけちゃんの分類では「S型まんぼ」です。
少し探せば、他の橋梁(まんぽ)にもたくさん有りそうです。
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とうかい149/平成26年8月30日撮影
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通路の下は水路なので石積みが
コンクリートで隠れています |
左の拡大写真 |
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ここにも矢穴 |
南側のウイングも風格がある |
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西ノ口橋梁(とうかい150)
平成27年11月1日/記 |
■チョコレートの看板がユニークな
明治製菓(正式には株式会社明治)
の裏側にあります。
東京駅からの距離は537.260Km。
国道171号線からは女瀬川との交差点から(南へ)入ることが出来ます。
「サンクス朝日町店」や「ザバススポーツクラブデルタ」が目印です。
■JRに突き当たったところは”ボックスカルバート”ですので、
JRに向かって左に道を取り、140m程歩くと「とうかい150」
西ノ口橋梁
が有ります。
北側はコンクリート、南側が明治8年8月竣工の煉瓦アーチです。
煉瓦アーチの側壁の石積みには、至る所に”矢穴”を観ることが出来ます。
巾員1.8m(6フィート)で車が通れないので、
比較的綺麗なまま保存されています。
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■時間が無かったので私は見落としたのですが、
”たけちゃん”の調査によると、
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「山崎煉瓦アーチ群」によく観られる「S型マンボ」で、
面壁、ウイングには石が積まれている。
坑門はレンガ3巻きであるが、レンガをよく見ると異形レンガである。
幅員は1.8m(6フィート)、レンガを半円形に積むのに
半径1.8m(6フィート)というのがきついのだろう。 |
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諸元 |
幅
アーチ半径
巻き数
側壁 石積み3段
長さ |
1.83m
0.90m
3
1.10m
11.3m |
と記載されています。
■関連ホ−ムペ−ジ
/”たけちゃん”のブログ/Day-By-Day/とうかい150(外部リンク)
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元茨木川(とうかい155)の矢穴
平成27年2月9日
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■ねじりまんぽの
門ノ前橋梁(とうかい154)
の大阪側、台帳では約30mの位置に
茨木川橋梁(とうかい155)
はあります。
東京駅からの距離は540.402Km。
橋台の基礎は径9呎(フィート)円形ウエルです。
■たけちゃんが、調査してきましたので、
矢穴の記事を中心に編集しました。
初期に構築された南側は、
高槻城の石垣が転用された証拠に、
多くの矢穴を見つけることが出来ます。
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各所に矢穴が観られます
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たけちゃん作成の石割図面
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矢穴が2箇所確認出来る
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たけちゃんの図には表現が無いが写真で見ると他にも矢穴がある |
以上/平成27年1月12日/たけちゃん撮影 |
平成26年10月15日メール/たけちゃん撮影
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ツライチのレンガアーチ端 |
ノコギリ歯のレンガアーチ端 |
平成27年1月12日/たけちゃん撮影
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■参考ブログ/”たけちゃん”のブログ( Day-By-Day(外部リンク)
/H27/1/31 元茨木川橋梁橋台 とうかい155
/H27/1/27 元茨木川(京都側橋台)
/H27/1/12 作図(大阪側橋台)
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連続アーチ橋の矢穴
平成27年3月1日/記 |
■「山崎煉瓦アーチ群」には連続アーチ橋があります。
京都府長岡京市の七反田橋梁は、
径間15呎(フィート/4.57m)の6連アーチ橋で、
現存する煉瓦アーチ橋としては最多径間となっています。
その南約1.3kmには老ヶ辻橋梁があります。
ここは”迫受石”を持つ3連アーチ橋で、
径間は同じく15呎(フィート/4.57m)です。
二つとも、明治9年(1876)5月の竣工ですから、
来年2016で、現役140周年となります。
よく頑張っています。
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老ヶ辻橋梁 |
老ヶ辻橋梁の矢穴
平成26年10月15日メール/たけちゃん撮影
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”迫受石”を持つ3連アーチ橋で、
径間は15呎(フィート/4.57m)です
平成26年8月17日撮影 |
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