| データシート |
■見学会だったため、計測時間が無かったのと、
レーザー距離計やコンベックスを持っていかなかったので、
長さの計測は出来ませんでした。
■砲台跡なので、文献「鉄道と煉瓦」に記載はなく、
現存する”ねじりまんぽ”としては唯一の軍事施設です。
ねじりまんぽが3カ所(A〜C)有りますが、
入り口付近だけがねじりまんぼで、
奥の天井はコンクリート作りになっています。
斜架角(しゃかかく)θはAが80°、Bが70°と推定され(Cは不明)ます。
起拱角(きょうかく)βは非常に小さく(≒10°)、
「No25-安井橋梁/撤去」θ=83°、起拱角 β≒5〜10°(文献2))
「No.11-市三宅田川橋梁」θ=78°、起拱角 β≒8°(実測)
と並ぶ、「ねじり」の小ささです。
これらのことから構造的な必要性と言うより
意匠的な意味が大きかったのかと考えられます。
レンガの積み方はオランダ積みです。
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■ここからは、文献と観測データを元に諸元を整理していきます。
文献及び実測値より、諸元を下記のとおりとしました。
同時に、千代ヶ崎砲台跡のねじりまんぽの特徴をまとめました。
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| ねじりまんぽ-A/第三弾薬庫交通路 |
■ねじりまんぽ-A/第三弾薬庫交通路
1.端面は小口の面一で4巻。断面は欠円です。
2.ねじり部分の奥行きはレンガ約2個半〜2個+羊羹のみ。
3.斜架角 θ≒80°、起拱角 β≒10°と「ねじり」にする意味が小さい。
「No25-安井橋梁」「No.11-市三宅田川橋梁」と並ぶ、「ねじり」の小さなマンボです。
4.入り口付近だけがねじりまんぼで、奥の天井はコンクリート作りになっています。
他には例がありません。
5.側壁、翼壁はレンガでオランダ積みとなっています。
6.アーチ部分は長手積みとなっています。
ねじりまんぽ-A
図−β 実測値と理論値の比較
(クリックで拡大図)
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正径間 |
W= |
未測定 |
| 斜径間 |
a= |
未測定 |
| 巾員 |
L= |
未測定 |
| 斜架角 |
θ= |
右80度 (平面図より測定) |
| 起拱角 |
β= |
10°(実測値)
6°(θから求める理論値) |
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| ねじりまんぽ-B/第一貯水所 |
■ねじりまんぽ-B/第一貯水所
1.端面は面一だが、2巻で、内側は長手と小口との組み合わせ。
外側は長手のみの計2巻と他に例が無い。
2.ねじり部分の奥行きは、
小口4ヶ+七三(あるいは、長手2個+小口一個+小口の七三)〜長手3個ぶん。
3.斜架角 θ≒70°、起拱角 β≒10°と小さい方です。
4.ここも入り口付近だけがねじりまんぼで、奥の天井はコンクリート作りになっています。
5.側壁、翼壁はレンガでオランダ積みとなっています。
6.アーチ部分はオランダ積みとなっています。一般的には長手積みですので非常に珍しい構造です。
このため端面が内側は長手と小口との組み合わせ、外側は長手のみの計2巻になります。
内部はどうなっているんでしょう?覗いてみたくなりますね。
ねじりまんぽ-B
図−β 実測値と理論値の比較
(クリックで拡大図)
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正径間 |
W= |
未測定 |
| 斜径間 |
a= |
未測定 |
| 巾員 |
L= |
未測定 |
| 斜架角 |
θ= |
左70度 (平面図より測定) |
| 起拱角 |
β= |
10°(実測値)
13°(θから求める理論値) |
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←左の写真/違う場所の端面写真です。
端面は面一。 写真は3巻写っていますが、
ねじりまんぽ-Bでは2巻で、
内側は長手と小口との組み合わせ。
外側は長手のみの計2巻と他に例が無い。 |
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| ねじりまんぽC/右翼観測所方向出入り口 |
■ねじりまんぽ-C/右翼観測所方向出入り口
1.端面は敷地外のため今回は確認出来ませんでしたが、
インターネット上の写真から判断すると、
5巻構造で、内側はオランダ積みの影響で長手と小口との組み合わせ。
中間は長手のみが3巻。一番外側は小口で1巻となっています。
2.ねじり部分の奥行きはレンガ約2個半程度。
3.斜架角 θ≒不明、起拱角 β≒25°
起拱角から斜架角を理論値で逆算すると53°となります。
4.他のA、Bと同じく入り口付近だけがねじりまんぼで、奥の天井はコンクリート作りになっています。
5.側壁、翼壁はレンガでオランダ済みとなっています。
6.ねじりまんぽ-Bと同じく、アーチ部分はオランダ積みとなっています。
ねじりまんぽ-C
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正径間 |
W= |
未測定 |
| 斜径間 |
a= |
未測定 |
| 巾員 |
L= |
未測定 |
| 斜架角 |
θ= |
右/角度不明 |
| 起拱角 |
β= |
25°(実測値) |
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■なお上記「調査ーデータ」を作成するにあたっては、下記の考えに従いました。(他のまんぽと共通事項)
●ねじりまんぽの番号
/「鉄道と煉瓦」表4-1”一覧表”(P117)における番号から不掲載分を追加。
●方向
/東西南北の表示は主たる方向とした。
●経度緯度
/ Googleマップ より求めた。
●煉瓦形状(今回はデータ無し)
/手作り煉瓦であるので寸法にバラツキがある。故に代表値。
●積み方/イギリス積み、オランダ積みの区分
/コーナーの仕上げ形状により、イギリス積みとオランダ積みが区分されるので、
/文献「鉄道と煉瓦」にならい、一般的に”イギリス積み”と表記。
/今回の場合、公式論文が”オランダ積み”となっていたので、”オランダ積み”と表記しました。
●θβの左右区分
/「鉄道と煉瓦」にならい、側壁に向かってアーチの煉瓦が右上がりの場合「右」
、左上がりの場合「左」 と表記。
●中心キロ程/現行距離程による。(開業時とは異なる)
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位置図
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